私の質問

１．ＧＩＧＡスクール時代の教員の指導力について

２．教員のＩＣＴ活用指導力を高めることをどのように実現するのか

３．体験活動の重要性を踏まえ、アフターコロナにおける学校以外での体験活動をどのように進めていくのか

４．今後の情報モラル教育の推進について

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一般質問の全文を載せます。

教育長の答弁もその下に載せていますので

是非、最後まで一読お願いします！<m(__)m>

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ＧＩＧＡスクールにおける諸課題について

おはようございます。

「食と緑を守る緑友会」福岡県議団の安部弘彦です。

それでは、通告書に従いまして、一般質問させて頂きます。

今回のテーマは、『ＧＩＧＡスクールにおける諸課題について』であります。

令和３年度は「ＧＩＧＡスクール構想元年」と言われており、県内の小・中学校では、１人１台端末や電子黒板などの情報機器を活用した教育がスタートしています。

文部科学省は、ＧＩＧＡスクール構想の実現に向けて「標準仕様書」を提示し、各自治体では、これを参考として学校のＩＣＴ環境の整備が進められました。

県内の公立小中学校においては、昨年度中に全ての市町村において高速大容量の校内通信ネットワークと１人１台端末が整備されました。

一方で、我が国の学校教育は、このような社会全体の動きや、国際的な教育の動向から取り残されてきたと言われておりました。

それだけに、このＧＩＧＡスクール構想により学校教育の情報化を一気に加速することが期待されている訳ですが、様々な対応や、大きな変革を迫られる学校現場では、混乱や不都合も生じているのではないかと危惧しております。

本日は、ＧＩＧＡスクール構想の推進に伴う諸課題について、

教育長に４点お伺いして参ります。

まず、小学校教員で授業力は抜群であるが情報機器の扱いにアレルギーがあり、情報機器を使った授業となると全く力を発揮できない教員がいるという話を聞きました。

ベテランで人間力があり、児童・生徒・PTAにも信頼のあつい「熱血先生」に、そのような教員が多い傾向があるように感じます。

ＧＩＧＡスクール時代の学校なればこそ、その様な先生は「重要な存在」なのではないでしょうか？

なぜならば、学校教育の情報化は、将来を生きる子どもたちにとってはもちろん大事なことだと思いますが、学校教育はそれだけではないと思うからであります。　黒板を使い巧みな話術で、子どもたちを惹き込む授業を繰り広げる教員や、子どもの僅かな変化に気づいたり、心に寄り添って叱咤激励をしたりする、教員こそ、我が国の学校教育の財産なのではないでしょうか。

【問①】そこで伺います。

ＧＩＧＡスクール時代の教員の指導力について、教育長の見解をお聞かせ下さい。

これに関連して、学校の教員にもＩＣＴ教育に精通している者もいれば、情報機器にアレルギーを持っている者もいます。そのような中でも、情報機器を授業の中でうまく使いこなせる教員を増やしていかなければ「情報機器の持ち腐れ」となってしまいます。　また，児童生徒にも，家庭で日々触れていて自由に使いこなせる子もいれば、学校に来て初めて触れるという子もいると思います。

１つのクラスの中でも、そのようなＩＣＴリテラシーに格差のある児童生徒が混在しています。

学校の教員には、そのような状況の中で児童生徒のＩＣＴリテラシーを高めつつ、ＩＣＴを活用した教育を展開していくことが求められており、とても難しいことだと思います。

【問②】そこで、

教員のＩＣＴ活用指導力を高めることをどのように実現するのか、教育長の考えをお示しください。

次に、アフターコロナにおけるリアルな体験活動について伺います。

学校教育においても、ＧＩＧＡスクール構想による学校のＩＣＴ環境の整備が進んだことで、コロナ禍では実施しにくい地域の方々との交流や文化芸術体験をオンラインで実施したり、バーチャル修学旅行を実施したりといった事例もあると聞きました。

このような取組は、コロナ禍において何とか体験活動の機会を保障する工夫としては重要であると考えますが、オンラインやバーチャルで労せずして疑似体験ができることをもって「実際の行動や体験をしないでもいい」というリアルな体験活動を重視しない風潮がアフターコロナになっても強まっていくのではないかと懸念しています。

主に、学校以外で行われていたコロナ前までの体験活動では、匂いや手触りといった、リアルでしか味わえない感覚もあったと思います。また「分かることと出来ることは違う」と言われるように、自分の手で実際にやってみる経験が無いと、生きて働く体験にはならないと思います。

特に、成長過程にある子どもたちにとっては、リアルな体験活動を通じて学ぶべきことが、たくさんあるのではないでしょうか。

【問③】そこで伺います。

体験活動の重要性を踏まえ、アフターコロナにおける学校以外での体験活動をどのように進めていくおつもりか、教育長の考えをお示しください。

最後に「情報モラル教育について」であります。　

ＧＩＧＡスクール構想が始まる以前から、子どもたちの身近には、スマホや

インターネットがあり、有害情報を含む大量の情報に触れるとともに、ＳＮＳ等を通じて見知らぬ他者と繋がったり、情報を発信したりしています。

このような情報化社会の進展の中では、子どもたちが情報技術の利用に関する、適切で責任ある行動がとれるように、育成していかなければなりません。

学校教育の中でも、ＩＣＴ活用が進む中では、情報モラルを身に付けさせることや、様々な情報の真偽を主体的に判断し、適切に行動できるようにしていかなければならないと思うからであります。

【問④】そこで、

今後の情報モラル教育の推進について、教育長の見解を伺います。

私自身、情報技術・システム分野に身を置く技術者の一人として、児童・生徒が１人１台端末を安全かつ、最大限活用していくためには、サイバーセキュリティ、個人情報保護や犯罪防止という観点からの配慮も、強くお願いしたいと思います。

教育長の将来を見据えた答弁に期待し、私の質問を終わります。

ご清聴、誠にありがとうございました。

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教育長答弁

問１　ＧＩＧＡスクール時代の教員の指導力について

○　現在、学校のＩＣＴ環境が整備される中で、それらを教員が学習指導等の様々な場面で活用する能力が求められているが、そもそも教員に求められる資質・能力には、使命感や責任感、教育的愛情、教科に関する専門的知識などがあると考えており、これらの重要性はＧＩＧＡスクール時代においても変わらない。

○　また、今日の複雑な教育課題に対応していくためには、経験豊富なベテラン教員、ＩＣＴスキルに長けた若手教員、専門スタッフなどがそれぞれの強みを生かして、「チーム学校」として組織的な教育活動を展開していくことが重要であると考えている。

問２　教員のＩＣＴ活用指導力を高める取組について

○　本県の小・中学校においては、１人１台端末や高速大容量通信ネットワーク等のＩＣＴ環境が十分に活用されるように、基礎研修や中核教員対象研修、管理職対象研修など、教員のスキルや役割に応じた複層的な研修を実施して、ＩＣＴ活用指導力の向上を図っているところ。

○　今後は、その成果を基盤として、ＩＣＴを活用した効果的・効率的な指導方法等について、各教員が必要な力を身に付けられるような研修等に取り組んでまいる。

問３　アフターコロナにおける体験活動について

○　体験活動は、子どもたちに、社会で求められるコミュニケーション能力や自立心、主体性、協調性、チャレンジ精神を育むなど、教育的効果の高い重要な活動である。

○　情報通信技術が発達し、オンラインでの間接的・疑似的な活動が増える中、改めて直接的な体験活動の意義を各種研修会等で啓発してまいる。

　　併せて、放課後子供教室での体験活動や県立青少年教育施設でのファミリーキャンプ、ふくおか体験活動出前隊によるアウトリーチ型の取組など、実体験を伴う多様な活動機会の提供に努めてまいる。

問４　情報モラル教育の推進について

○　本県においては、全ての教職員が自身の情報モラルを高めつつ、いわゆるフェイクニュースなどの誤った情報や各種の有害情報に関する問題、情報化が社会にもたらす影響について認識し、児童生徒に対して適切に指導できるようになることを目指す。そのため、ＩＣＴに関する研修や道徳教育に関する研修において、情報モラルに関する内容の充実を図っている。

○　また、「情報モラルに関する指導の充実」に係る重点課題研究として、指定校において、情報社会でのルール・マナーを遵守すること、情報を正しく安全に利用すること、インターネット利用における人権感覚を培うことなど、情報モラルを高める指導について実践的な研究を行い、その成果を各市町村へ発信してまいる。