2022年10月4日
決算特別委員会「福祉労働部所管分」
「地域福祉を支える人材の育成について」(全答弁書)を載せます!
緑友会の安部弘彦でございます。
今議会、我が会派の代表質問で「困難な環境にある児童生徒への支援について」
質して参りましたが、困難な状況にある子どもの環境を改善するためには、
その背景にある家庭や地域の環境について考える必要があります。
また、地域レベルで、日常から、つながりをもって支援を行うためには、
社会福祉を担う人材の育成(養成)・確保が重要(じゅうよう)です。
核家族化や近所付合いの希薄化により、地域の支えあい機能が低下していると感じます。 さらに、ここ2年余りは、新型コロナ感染拡大の影響で、(例えば)自治会の総会が
書面決議となったり、夏祭りや敬老会なども中止されたり、地域行事も減少し、
地域の中で住民が顔の見える関係性をつくる機会が失われています。
このような中、地域においては、一人暮らしの高齢者や、障がいのある方、
子育て世帯など、支援を必要とする方の孤立が問題となっています。
今議会には、「福岡県民生委員の定数を定める条例」の改正について、
議案が提出されていますが、民生委員は住民に身近なところで高齢者等を見守ったり、住民の困りごとの相談を受けたりする、地域福祉を支える重要な役割を担っています。
また、核家族化や高齢化により、支援のニーズが多様化する中、相談対応や支援へ
つなぐ役割を担う民生委員の方々には、大変なご苦労をおかけしていると思います。
問1(安部)
そこで質問です。
民生委員が地域で活動する上では、現状の地域の生活課題への理解や、自治体の
支援内容等への理解を深めておくことが重要と考えますが、県では民生委員の活動が円滑に行えるよう、どのような取組み(支援)を行っているのかお尋ねします。
答1(坪根課長)
1 県では、民生委員児童委員が活動する上での心得、相談・支援のあり方、実践上の疑問などに先輩委員からのアドバイスを交えて答える「民生委員・児童委員活動に関するQ&A集」を作成し、市町村に提供して、民生委員の活動に役立てていただいています。
2 このほか、県社協に委託して、地区別に民生委員児童委員研修を開催し、福祉の基礎知識の習得と円滑な活動の推進を図っています。
また、各地域の民生委員児童委員で構成する福岡県民生委員児童委員協議会において、経験年数6年未満の者に対し「民生委員児童委員大学」を、6年以上の者に対し「中堅研修会」を開催しており、県は、その開催経費の助成を行っています。
問2(安部)
研修を行っているということですが、認知症の増加や、生活困窮、ヤングケアラーやひきこもりの方の支援など、地域には多様(たよう)な課題があります。
どのような内容の研修を行っているのか、具体的にお答えください。
答2(坪根課長)
1 先ほど申し上げた民生委員児童委員研修では、その時々で研修のテーマを見直しながら実施しています。
2 今年度については、「ひきこもりの方への支援」や「児童虐待の現状」、「ヤングケアラーへの支援」、「高齢者・障がい者の消費者被害の最新事例と対処法」というテーマで、7月から8月にかけて8会場で研修を行い、1,138名に受講いただいています。
3 また、昨年度は、「生活保護制度」、「生活困窮者自立支援制度」、「8050問題」などについて研修を実施しています。
問3(安部)
多くの地域で、民生委員や町内会、老人クラブ等、地域住民主体の「見守り活動」が
行われています。 しかし、そのような活動を担う人材は、高齢化や自治会等への
加入率の低下により、担い手が不足しています。 地域で日常から、つながりをもって、支援を行うためには、地域福祉を支える人材を育成することが必要です。
そこで伺います。 子どもの頃から、地域の人たちとつながっていると感じるような、体験や地域の課題を身近な課題として捉える、意識の醸成(じょうせい)を図ることが
重要と考えますが、県ではどのような取組を行っているのか具体的にお答えください。
答3(坪根課長)
1 県では、地域における学習支援対策として公民館等に子どもを集めての学習支援を実施している。 また、こども食堂の立ち上げやネットワーク化のサポートを行っている。
こうした活動の中で、地域住民や大学生などに様々関わっていただいており、参加した子どもたちにとって、地域の人たちとつながっていると感じる体験になっていると考えています。
2 また、小中学校では、防災学習や昔遊びなどの体験学習の中で、地域住民の協力を得て、連携・協働活動が行われています。
3 また、地域の課題を身近に捉える意識の醸成としては、市町村社協により、小中学生を対象に車いすラグビー選手を招いた体験学習や親子手話体験教室など地域で工夫を凝らした福祉教育が行われています。
4 さらには、高等学校では、今年度から学習指導要領の改訂に伴い、「公共」の授業の中で、社会保障の体系的学習が強化された。
このため、県としましても実際の身近な地域の福祉の窓口や担い手を知ってもらえるリーフレットの提供を行うこととし、これを通じて地域福祉への高校生の理解を深めたいと考えています。
問4(安部)
冒頭でも触れましたけれども、困難な状況にあるこどもの環境を改善するためには、その背景にある家庭や地域の環境について考える必要があります。
地域レベルで、日常から、つながりをもって支援を行うためには、社会福祉を担う人材の育成(養成)・確保が重要となります。
改めて、部長に方針等も含め、お尋ねをいたします。
答4 西原部長答弁
1 高齢者や障がいのある方、子ども、生活困窮者、災害の被災者、犯罪被害者など、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、地域住民による福祉活動の活性化やボランティア・NPO、企業、行政など多様な主体の協働による地域全体での支援が必要であります。
2 そのような地域社会づくりのためには、住民一人ひとりが主体的に地域福祉活動に参画する意識の醸成が重要である。
そのため、県としては、先ほど申し上げました民生委員への研修の実施や様々な地域の方との体験を通じて、人材の育成や子どもの頃から社会性や思いやりの心を育むことができるよう取組みを進めて参ります。
3 委員ご指摘のとおり、地域社会には様々な課題を抱えた方々がおられる。
制度・分野ごとの縦割りや支え手、受け手という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに作っていく地域共生
社会の実現に向けて、しっかりと取組んでまいる。
(安部)
部長から、具体的な方針(取組む内容)を伺いました。
もちろん、我々もできることを一生懸命やっていきますので、
さらなる支援のお願いを申し上げて質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。