先日の一般質問
「世界で活躍する「人財」の育成について」
全文章及び、その教育長の答弁も載せています。
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皆さん、おはようございます。
それでは、通告書に従いまして、一般質問させて頂きます。
今回は、「世界で活躍する「人財」の育成について」であります。
知事は、新しい時代の県政を進めるに当たり、挑戦していくものの一つとして、「次代を担う『人財』の育成」を掲げられ、令和4年3月に、第6次の福岡県青少年健全育成総合計画、いわゆる福岡県青少年プランを策定されました。この第6次の策定にあたっては、第5次の計画期間を1年前倒ししての策定であり、知事の強い思いを感じることができます。
この青少年プランの基本目標の中に、「グローバル社会で活躍をめざす青少年を応援する」が掲げられており、
「国際的な視野を持ち、異文化や多様な価値観を尊重しながら、他者と協働することができる青少年が求められる」としています。
県内には、諸外国との親善・交流を促進し、国際化時代にふさわしい住民の国際感覚の育成、国際理解の普及高揚をはかり、国際親善と世界平和に貢献することを目的とした団体がいくつもあり、様々な活動をしておられます。
その活動の中で、小・中学生を対象として、ゲームや遊びを通じて、外国の方々の考え方や習慣等を学ぶ国際交流活動「教室の窓から世界をのぞく」等が行われています。
また、私の友人が参画しているNPO法人の「じぶん未来クラブ」では、「ミュージック・アウトリーチ」というプログラムを実施しています。これは、世界共通言語である音楽を通して、数百人の子どもたちが共に学び、お互いの個性を尊重し、自分の可能性を発掘する、教育プログラムです。
このプログラムでは、さまざまな芸術分野で専門教育を受けたキャスト30名ほどが、わずか3日間ほどで、小・中・高校生たちと一緒に、歌やダンスのショーを作り上げます。キャストメンバーは17~25歳の、アメリカを中心に、ドイツ、カナダ、フィリピン、日本など、世界中から集まっており、パフォーマンスだけではなく、教育にも情熱を持ち、これまで多様な年齢、文化的背景をもつ子どもたちを教えてきた経験も、持っています。
2016年6月13日~15日の3日間、私の地元、岡垣町の内浦小学校へ、このプログラムを誘致しました。来日メンバーの期間中の宿泊(ホームステイ)手配など苦労もありますが、開始時には不安そうだった子ども達の表情が、短期間で歌やダンスのショーを作りあげた時には、とても晴れやかに変わっており、達成感で満たされた子ども達、キャスト、学校関係者、来場された保護者など、皆さんの笑顔を思い出すと、今でも感慨深いものがあります。
文化や言語の違いを超えて親しまれている音楽を通して数百人の子どもたちが共に学び、お互いの強みを尊重し、自分の可能性を発掘しながら、参加者一人ひとりが他人と違った個性をもっていることを認識し、自信を獲得し、自分と違った感じ方をする他人の存在を認め、その尊さを学ぶことができます。
また、さまざまな国の出身であるキャストのとの触れ合いの中で、他文化への関心を高め、異なる言語を学ぶことへのモチベーションを喚起することができます。
こういった活動が草の根的に多くの地域で取り組まれ、多くの子どもたちに体感してもらえれば、と思います。
これらは、国際感覚を身に付けることや、国際理解のための体験的活動として、とても効果的であると考えています。
そこで教育長にお尋ねします。
子どもたちが、小学生のうちから「世界を感じる」ような体験活動を行うことの意義について、どのような認識をお持ちか、また、どのように取り組んでおられるのか、お示しください。
さて、グローバル社会で活躍できる人材となるために、国際感覚を身につけることの重要性について述べて参りましたが、他にも必要な要素があります。
まずは語学力です。
外国語の中でも英語は、国際的共通語として、最も中心的な役割を果たしており、コミュニケーションのツールとなっています。
世界では英語を母語、公用語、準公用語とする人々が多く、21世紀を生き抜くためには、国際的共通語としての英語のコミュニケーション能力を身に付けることが不可欠であると言われています。しかしながら、日本人の英語運用能力は、国際的に見て十分でないという指摘もなされており、日本人自身の一層の国際化及び、国際社会で活躍する人材の養成のために、国家戦略として、英語教育の充実を図る必要があります。
こうしたことから、学校教育において、小学校での外国語が教科化されるなど、その取組みが進められています。
そこで教育長にお尋ねします。
本県の義務教育段階における英語力について、これまでの取組みと、現状をお示しください。
最後に、日本人としての、アイデンティティについてです。
国境を越えて、様々な人々と関わるうえで、「自分は何者なのか」という、バックグラウンドを説明できる人材が求められています。
こちらが海外の文化に興味や理解を示すように、海外の人々も、日本の文化に理解を示そうとしてくれます。
その際に、自国の文化や風習についての知識や態度を身に付け、日本人としての考えを根本に持ちつつ、自分のベースや、日本の良さなどをアピールできる人材が求められると思います。
そこで教育長にお尋ねします。
義務教育を通して、子ども達が自国の歴史や文化について、どのように学んでいるのかをお教えください。
教育長の前向きな答弁を期待し、私の一般質問を終わります。
ご清聴ありがとうございます。
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問 「世界を感じる体験活動」について
○ 外国人との交流体験は、文化の多様性を実感するとともにその比較を通して自国の文化のよさを再認識したり、外国語でのコミュニケーションの楽しさを体験し、外国語学習の意欲を高めたりするなどの効果がある。
また、外国人との自然な関係性を築いたり、将来の自分の進路を世界に向けたりすることにつながると考える。
○ このため、県教育委員会においては、小学校5・6年生を対象に、世界の国のスポーツや食文化をテーマに、外国人の先生と交流をしたり、日本の特徴を英語で外国人に伝えたりする「イングリッシュ・チャレンジ」を実施している。
また、民間の英語体験施設を利用した学習やオンラインによる英会話など、小学生の体験型英語学習について、市町村への支援を実施しているところである。
問 本県の義務教育段階における英語力について
○ これまで、県教育委員会においては、英検IBAテストの受検と、その分析に基づいた授業改善や、「中学生英語スピーチコンテスト」の実施、英語教育重点支援市町村へのイングリッシュサポーターの配置などの支援を実施してきた。
○ これらの取組や日々の授業改善を通して、子どもたちの英語力は向上しており、昨年度の国の英語教育実施状況調査では、英検3級程度以上の英語力を有する本県中学校3年生の割合は53.6%であり、3回連続で全国平均を上回っているところである。
問 自国の歴史や文化に係る学習について
○ 異文化を理解し、国際感覚を身に付けるためには、我が国の歴史や文化に関する教育を通して、まずは日本人としてのアイデンティティーを培っていくことが重要である。
学校教育では、社会科を中心に、先人の業績について学んだり、現在日本人が親しんでいる建築様式や能楽などの芸能が、どのように現代に受け継がれているのかについて学んだりしている。
○ なお、グローバル社会で活躍する人財を育成するため、民間等と連携した国際交流の機会の充実とともに、児童生徒が我が国の歴史に対する愛情や、文化を尊重する態度を身に付ける教育に取り組んで参る。